明日の記憶

なんとも、
ヒルなタイトルです。


明日って未来のことなのに、
記憶あるわけないですよね。


アルツハイマー
私が私でなくなっていく病気。


今まで生きてきたことの尊厳はもとより、
ほとんど全てをなくしてしまう。


私はこの映画を見て、
ふと自分が、あるいは嫁が、
アルツハイマーになったときを想像しました。


そのためにも、
2人が忘れない記憶を刻みたいと、
思いました。


思い出のすべてを、あなたへ託す。

決して忘れられない、傑作の誕生―
“人を愛すること、そして一緒に生きていく”ことをあなたに問いかけたい。
“生きることの辛さ、切なさ、そして素晴らしさ”をあなたに伝えたい。

原作は第18回山本周五郎賞を受賞し、2005年〈本屋大賞〉の第2位に輝く荻原浩の傑作長編『明日の記憶』(光文社刊)。重いテーマの中に心和ませる上質なユーモアを織り込み、喪失を乗り越えていく夫婦の情愛を、映像化するのは、『トリック』『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』を手がけ、本作で新境地を切り拓く才人・堤幸彦監督。
 映画『明日の記憶』は「人を愛するとは。」「共に生きるとは。」という人間の愛の本質に真っすぐに斬りこみ、根源的な問いを投げかける。深いドラマ性と卓越したストーリーが多彩なキャストの熱演で美しく綴られ、涙あふれる物語として2006年初夏、一生胸に残る感動を紡ぎだす。


<ストーリー>

広告代理店に勤める佐伯雅行は、今年50歳になる。ありふれてはいるが穏やかな幸せに満ちていた。そんな彼を突然襲う〈若年性アルツハイマー病〉。
「どうして俺がこんな目に……なんで、俺なんだ!!」。こぼれ落ちる記憶を必死に繋ぎ止めようとあらゆる事柄をメモに取り、闘い始める佐伯。毎日会社で会う仕事仲間の顔が、通い慣れた取引先の場所が……思い出せない……知っているはずの街が、突然”見知らぬ風景“に変わっていく。夫を懸命に受け止め、慈しみ、いたわる妻。彼女は共に病と闘い、来るべき時が来るまで彼の妻であり続けようと心に決める。「お前は平気なのか?俺が俺じゃなくなってしまっても」。一緒に積み重ねてきた人生をいつか忘れてしまうのだ。ひりつく想いでそう訊く夫に、彼女は静かに答える。「私がいます。私が、ずっと、そばにいます。」そして、幾度もの夏が訪れる……。〈記憶〉を喪失しても、なお忘れなかったものが、いつも美しい夕映えの空気に映えていた。


<キャスト・スタッフ>

監督:堤幸彦

出演:渡辺謙 樋口可南子
   吹石一恵 及川光博 香川照之 渡辺えり子 大滝秀治 ほか

原作:荻原浩【光文社刊】

脚本:砂本量 三浦有為子


<コメント・プロフィール>渡辺謙【佐伯雅行】

                                                                                                                                                              • -

昨年秋、“SAYURI”の撮影中にこの原作と出会いました。読んだ後、暖かい涙が頬を濡らしたのを覚えています。原作の荻原浩さん、東映の力をお借りして映画化に至りました。深刻なテーマでありながら、人間が持つ根源的な強さ、家族、夫婦の意味、そしてそれらがもつ暖かさをスクリーンで表現できると 今、確信しています。堤監督、そして素晴らしいキャストにも参加していただきました。 是非完成をお待ちください。

1959年新潟県出身。トムクルーズと共演した「ラストサムライ」(03)で2004年第76回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされる。以後2005年「バットマン ビギンズ」「SAYURI」とハリウッドの大作に立て続けに出演し今年公開される。本作品が初の映画主演作品となる。


樋口可南子【佐伯枝実子】

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私の役は記憶を失っていく夫を支える妻の役です。夫を深く愛している優しい女性です。この作品は、自分が壊れていくような錯覚さえ覚える怖い作品ですが、病を受け入れ、乗り越えていく姿は胸が痛くなるくらい感動しました。この夫を渡辺謙さんが演じると思うだけで胸がドキドキします。最後までがんばって謙さんについていって、原作に負けない、いい夫婦にしたいです。

1958年新潟県出身。映画・ドラマに映画ドラマに多数出演し、多くの映画賞を受賞。主な出演作に「座頭市」(89)「陽炎」(91)「阿弥陀堂だより」(02)などがある。2005年には「阿修羅城の瞳」に出演。


堤 幸彦監督

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私は主人公の年齢と同じであり、人生後半への希望より不安が先立つ中、渡辺謙さんよりこの原作を紹介され映画化の熱意を聞いた。その内容には鳥肌が立ち、かつ、「生きていくために最も大事なもの」を感じとることができた。大変な難題だが襟を正し、謙虚な気持ちで取り組んでいきたい。

1955年生まれ。愛知県出身。「金田一少年の事件簿」(95)以降、従来のドラマとは明らかに一線を画するトリッキーな作品を生み出し「ケイゾク」(99)「池袋ウエストゲートパーク」(00)「トリック」(00)と立て続けに時代を象徴する話題作を世に送り出し、その後も多方面で活躍し常に注目を浴びている。最近では「トリック劇場版2」(06年公開)、ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」(04)「H2」(05)などの演出を手がけている。


原作者 荻原 浩

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映像化の話をいただいた当初は「これを映画にできるのかな」と、言葉を表現手段とする人間として、少々へそ曲がりなことを考えていました。渡辺謙さんにお会いし、ご本人の口から次々と飛び出すアイデアを聞いて、正直、驚きました。そういう手があったのか、と。言葉でなくてはできないことがあるように、映像でなくては表現できないことがあるのですね。完成が楽しみです。一観客として、映画館の片隅で観てみたいと思います。
1956年生まれ。広告制作会社を経て1997年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞。軽妙洒脱、上質なユーモアに富んだ文章には定評があり、行間に人間の哀歌が漂う。次々と新しいテーマに挑む現在最も注目されている作家。本作は全国書店員が選んだいちばん!売りたい本を選定する「本屋大賞2005」で第2位に選ばれ、また第18回山本周五郎賞を受賞。


配給:東映株式会社

撮影:2005年6月20日〜8月上旬(予定)

公開:2006年5月13日(土)全国東映系ロードショー


http://www.toei.co.jp/movie/ashitanokioku/index.htm


・公式サイト
http://www.ashitanokioku.jp/